『ずっと夢をみて安心してた 僕はDay Dream Believer そんで彼女はクィーン』(ザ・タイマーズ「Day Dream Believer」より)
誰もが知っているこの曲は、1989年に発表され、今も愛されている名曲です。原曲はアメリカのグループ、ザ・モンキーズが1967年大ヒットさせたDaydream Believer。CMソングとしても多用されています。
デイドリームとは、白昼夢、空想と言った意味があり、今話題のアニメ映画『ひるね姫』の主題歌にぴったり! 歌詞の内容も物語とリンクし、高畑充希さんのやさしい歌声と共に胸に響きます。
昼間に見る夢、白昼夢。
目が覚めているのに、まるで夢を見ているかのような空想が、あたかも現実のように見えることを言います。
白昼夢が生んだ怪物
イギリスの作家メアリー・シェリーは、
「私が見た白昼夢のゾッとするような恐怖を書いただけなのです」と、あの有名な「フランケンシュタイン」の話が出来た時に語ったそうです。
誰もが身の毛もよだつような物語を書きたいと悩んでいたメアリー・シェリーは、5人の友人たちと怪奇譚を創作していた時、友人たちの会話を聞きながら得たインスピレーションがはじけ、アイディアが幻想となり目の前に現れました。
その幻想に憑かれ、導かれ、素晴らしいイメージが生まれたのだそうです。そうして、白昼夢の中生まれたのが、ゴシックホラーの傑作「フランケンシュタイン」だと言われています。
白昼夢は願望……?
寝るときに見る夢は荒唐無稽なことが多く、白昼夢はより現実的だと言われます。それは、自分の願望、考えていること、希望などが反映されているからではないかと考えられているようです。
あなたも、こんなときにあの人が会いに来てくれたら……、この宝くじが当たったら……と夢想することがあると思います。
その夢想があたかも現実的に起きていることのようにイメージして見えるのが白昼夢なのです。
まるで「ひるね姫」のお話!
こうして考えると、「ひるね姫」の物語と白昼夢は非常に近しいですね。夢の中の物語が、いつしか現実とリンクしていく。そして、夢と現実がごちゃまぜになった後、スパっと現実に戻る……白昼夢そのもののように感じます。
ストレスがかかった時に見やすいと言われる白昼夢ですが、主人公ココネが巻き込まれた事件は、大きなストレスであるとも考えられます。
純真無垢な主人公と、やさしい声音の主題歌「Day Dream Believer」。
映画を観終わったあと、歌詞と物語のリンクに心地良い夢を見た気分になることでしょう。