4月の「誕生木」は、山桜です。
花見のシーズンに開花を愛でる「桜(ソメイヨシノ)」ではない点が注目されます。
なぜ、4月の誕生木に山桜が選ばれたのでしょう。きっと何か深い意味があるはず……。
今回は、そんな山桜について、スピリチュアルな観点も含め、いろいろとお教えいたします。
山桜とソメイヨシノの違いは
花見で愛でる桜(ソメイヨシノ)は、江戸時代の末期に、特定の個体から接ぎ木や挿し木で増やされた「クローン」です。遺伝的に同一なので、気象条件が同じなら、一斉に開花し、同じように散るという特徴があります。
一方の山桜は、自分の種で命を繋いできた「野生の桜」です。野生の桜なので生命力も強靭。ソメイヨシノの寿命が80年程度といわれているのに対して、山桜は、環境が良ければ千年を超える長寿の木もありますよ。
江戸時代以前は「桜」といえば、ソメイヨシノではなく、山桜のことを指していました。
源氏物語や古典の詩歌に登場する桜は、ほとんど全部が山桜です。
日本の春を彩る「桜の季節(4月)」に、人工的に増やされたソメイヨシノではなく、日本の固有種の山桜を当てたのは、このような背景があります。
山桜の神秘性
ソメイヨシノは、まず花が咲き、花が散ると葉が出てきます。美しい花を葉に邪魔されることなく堪能できますから、「観賞用として最適」というわけで、クローンで増やされていきました。
一方の山桜は、花と葉が同時に開くのです。ソメイヨシノが花だけで木を覆い尽くすのに対し、山桜は赤茶色の若葉と一緒に、淡いピンクや白の花を咲かせます。
この緑・赤・白が混ざり合った色彩こそが、古人が愛した本来の日本の春の姿なのです。
古い時代、桜は観賞用ではなく、神様が降りてくる通路と考えられていました。つまり、山桜が咲くことは、神様が降りてきて、これから始まる農作業を見守ってくれる合図だったのです。
奈良県の吉野山は、古くから山桜の名所として知られています。
実は、この山桜は、神仏への献木として植えられてきたものなのです。山岳信仰の聖地でもあった吉野山に信者たちが苗木を寄進して植えていった結果、3万本もの圧倒的な景観が作られることになりました。
一説によると、今から約千年前に滅亡した平家を供養するために、山桜が植えられたともいわれていますよ。当時の世相として、滅亡した平家の墓を作り、丁重に弔うことはタブーでした。
そこで、平家ゆかりの人々の墓標として山桜を植えたともいわれています。
平安時代末期の歌人の西行法師が「願はくは (山桜の)花の下にて 春死なむ そのきさらぎの望月(満月)のころ」という歌を残しました。平家の人々と親しくし、平家の滅亡をも見届けることになった西行の人生と重ね合わせると、この歌は、実に意味深いものがありますね。
このように、山桜は「花を見る」という単なる観賞用ではなく、「祈りとともに咲く花」だったのです。
4月は山桜にあやかりましょう
4月は新年度のスタートです。そんなときこそ、山桜にあやかりましょう。
まず、新しいスタートにはパワーが必要なので、
山桜の持つ強靭な生命力です。
あとは、個性ですよ。山桜は1本1本が異なる遺伝子を持っているため、咲く時期も、花の色も、葉の赤みも、すべてが微妙に異なります。
同じ山にはえていても、お隣同士で個性が違うのです。
4月は、入学・入社・異動などの時期。新しい集団の中での「自分」を意識せざるを得ない時期といえます。まわりと比較して焦ったり、個性を押し殺してしまいたくなることもあるかもしれません。しかし、そんなときこそ、山桜にあやかってみましょう。
山桜は「あなたはあなたのままでいいのです。自分のタイミングで美しく個性的に咲けばいいのです」というメッセージを送ってくれていますよ。自分軸をしっかりと持ち、自分のペースで根を張って花を咲かせる。そんな山桜の生き方は、新生活を始める私たちにとって最高のお手本(ロールモデル)になりますよ。
4月生まれの方はもちろん、他月生まれの方も、4月は山桜にあやかり、山桜のパワーを味方につけていきましょう。
山桜の材を使った木製品に親しむ、山桜を鑑賞する(動画・画像でもOK)、山桜の樹肌に触れるなど、いろいろな方法がありますよ。
そのことで、あなたらしい「美しい花」を、これからの1年で、ゆっくりと咲かせていくことができそうです。