イヤな人の夢2
前回お話しした、ユング心理学でいう「シャドウ(影)」について、少し補足したいと思います。
シャドウとは、何らかの理由でおさえつけている自分の一部分が、同性の人間の形をとって夢に現れるものだということを、前回はお話ししました。たとえば、自他ともに認める「勤勉でまじめな人」が、夢の中で「ルーズで自分勝手な人」に遭遇したとしたら、それはその人のシャドウ、つまり、その人がおさえつけている自分の一部だと考えられます。
「おさえつけている」というくらいですから、そこには無理が生じやすくなっています。この例でいえば、勤勉でまじめなのは非常に素晴らしいことなのですが、時と場合によってはハメを外して楽しんだほうが、心身のためにはいいに決まっています。
このように考えれば、夢に登場するシャドウは、その人のアンバランスな部分を指摘してくれる存在ともいえるでしょう。では、ちょっと変な話ですが、わけあって悪人として生きている人が、夢でシャドウに遭遇するとしたら、それはどんな姿をとっているのでしょうか。この場合、おそらくシャドウは善人の同性として夢に登場することになります。
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