幼い子供はよく、悪夢にうなされて飛び起きたり、激しい夜泣きをしたりするものです。
成長するにつれて、泣きわめくような反応はなくなるものの、悪夢そのものが減るわけではないでしょう。
いえ、ストレスフルな現代社会においては、大人が一番、悪夢にうなされているかもしれません。
悪夢の多くは、日常生活のストレスが危険なレベルにまで達していることを警告するものだ、とされています。
横暴な上司や配偶者に悩みながら眠りについたら、その相手に言いたいことを怒鳴っている夢を見た、という人は少なくないはずです。
また、うなされるような苦しい夢を見るとき、多くの場合は肉体に故障を抱えています。
これも問題が夢を通じて警告を送っている分かりやすい例でしょう。
さてそうなると、夢の内容がハッピーではない夢、不愉快な夢は、全部「悪夢」に分類されるべきでしょうか?
先述の例でも分かるように、苦しい夢を見る背景には、あなたが無視しがち、我慢しすぎになりがちな現実の問題点が潜んでいることがほとんど。
それを気付かせてくれるのですから、正確には悪夢どころか「注意喚起夢」だと思って感謝するべきなのかもしれません。
さらに、悪夢を参考に現実の生活を修正するだけではなく、夢の見方で現実を好転させることもできるのです。
例えば、厳しいスケジュールで仕事をしている人は、バスや電車に乗り遅れる悪夢や、悪漢らしき人物に追いかけられる悪夢を見がちです。
このとき、これは夢だ……と意識できたら、もうこっちのもの。
乗り遅れた電車には、ホップ・ステップ・ジャンプ! とかけ声でもかけて飛び乗ってしまいましょう。
追いかけてくる悪漢には向き直って、ピコピコ・ハンマーで頭をぽこん! と叩いてしまいなさい。
もちろん、あなたの夢なのですから、想像力の限りを尽くして、楽しく問題に立ち向かってみると良いのです。
それだけで、重苦しい悪夢が気楽な夢に変わって、スッキリと起きることができます。
しかも、目が覚めてみると現実面での問題にも、別のアプローチ方法が見つかることが多い、そんな不思議な悪夢対処法なのです。
ヘイズ 中村
病弱な幼少時代を多くの書籍を友に過ごし、神秘世界へのあこがれを募らせるようになる。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始、成人してからは複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。メディアを通じて伝わるギャップに嫌気がさし、現在はメディア出演NGながら、魔女・占い師として、様々な魔術書や占い書の翻訳と執筆を主な活動とし、現在も第一線で活躍する日本魔女界の重鎮にして、日本屈指の占術家。
他にも気になる夢を見たときは、夢辞典で検索してみてくださいね。