12月に大掃除を計画している人は多いのではないでしょうか。
でも、大晦日の大掃除はNG。このように、昔から言われてきたのです。
なんでNG? 大晦日に大掃除をしたらいけないの?
今回は、この言い伝えについて、いろいろお教えいたします。
年末の大掃除の起源
昔は、囲炉裏や火鉢など、家の中で火を焚いて生活していたので、柱や天井などに煤が溜まっていました。
真っ黒な煤を溜めておくと、悪霊や災厄を呼び寄せてしまうと考えた昔の人は、年末に煤払いをして、火を扱う場所を清浄なものにしようと考えたのです。
平安時代の宮中でおこなわれていた、この煤払いの風習は、江戸時代になると、一般大衆にも浸透するようになり、縁起が良いとされた12月13日から始めて、12月28日には終わらせるということが習わしとなってきました。
今も、神社仏閣などでは、年末になると長い竹で煤を払っていますね。これ、平安時代から続いてきた風習なのです。
現代は煤払いの必要がなくなりました。
しかし、この風習は今も、年末の大掃除として続いているというわけなのです。
元旦になると、新年の幸せをもたらすために、高い山から年神様が降りてくると昔の人は考えていました。
年神様は火に関係する神様とされていたので、火を扱う場所をきれいにしておかないと、年神様が家にやってこないと考えられたのです。こうして、年末の煤払いの習わしが生まれることになりました。
元旦ギリギリの大晦日に煤払いをしていると、そばにやってきている年神様まで払ってしまい、福を逃してしまうことになります。
それを避け、年神様を無事、家にお迎えするために、大晦日の煤払い(大掃除)はNGになったのです。
大晦日は心を落ち着けましょう
年が新しくなるタイミングは、ここから運気が下がるか、あるいは、上がるかという、運気の分岐点ともいえます。
なので、このような重要な場面では、必要以上に慌ただしくせず、できるだけ心を落ち着けて、新しい年を迎えた方が運気を落とさずにすみます。その意味では、大晦日に慌ただしく煤払い(大掃除)をしないという、昔の人の習わしは「正解」といってもよいでしょう。
大晦日までには、すでに身のまわりは清浄なものとなっており、新しい年をすがすがしい気持ちで迎えられるようにしておくと、新しい年に向け、運気にはずみがつけられますよ。
古くから続いていることには、何かしらの真実があるもの。みなさんも、昔の人にならって、大晦日の前までには大掃除を終えることをおすすめいたします。