古来のお月見、十三夜

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 お月見といえば、十五夜の満月を愛(め)でる。

 現代は、そんなイメージが強いのですが、古来のお月見で重視されていたのは、十三夜。

 満月ではなく、ちょっぴり欠けた月になりますが、昔の人は、こちらの月を大事にしていました。

 いったい、どうしてなのでしょう。

 今回は、十三夜のお月見の意味について、お教えいたします。


十三夜と十五夜


 十三夜は毎月13日目の夜の月、十五夜は毎月15日目の夜の月のことを、どちらも旧暦で示したものです。

 しかし、単に「十五夜」と言った場合、「中秋の名月」とも呼ばれる、旧暦8月15日の夜の月を意味します。「十三夜」は、そこから約1ヶ月後、旧暦9月13日の夜のお月見を意味するものです。

 「十五夜」も「十三夜」も、ただ単に月を眺めるのではなく、秋の収穫物を供え、実りに感謝をするという、祭礼の意味合いが重ねられるようになりました。


なぜ十三夜が重視されたか


 旧暦8月15日の十五夜(中秋の名月)は、秋空が澄みわたり、月が最も美しく見えるとはいえ、雲が出ることが多く、月を拝めないケースが少なくありません。しかし、約1ヶ月後の旧暦9月13日になると、だいぶ天候も安定し、月を拝める確率が高まるため、十五夜より、十三夜の方が重視されたという説があるそうです。

 それも理由の一部にはあると思われますが、一番大きな理由は別のところにあります。

 ここには、古代人の価値観が関係しているのです。古代の人は、「完全な姿」ではなく、「完全な状態に至る直前の姿」をベストなものと考えていました。

 完全なものは、それ以上を求めることができず、あとは崩れていくだけです。「自分の運気がそうであっては困る」というわけで、まだ先がある「完成直前の状態の月」を愛でるようになったのです。

 満月(十五夜)まで、あと一歩の十三夜の方を重視したというのは、そんな理由があります。


十三夜の過ごし方


 十五夜(中秋の名月)は、収穫物への感謝と、澄み渡った秋空に輝く美しい満月を楽しむといいですよ。

 その後に訪れる十三夜は、ちょっと気持ちのモードを変えてみましょう。

 今年後半と来年に向け、「こうありたい」という願望を宇宙に宣言する日と考えるといいです。

 完全な状態まで、あともう一歩、これから、完全な状態に向かって、どんどん自分の運気が向上していきます。お月様、その願いを叶えてくれてありがとう。

 そんな感じで、「願望を叶えてください」ではなく、「願望を叶えてくれてありがとう」と、すでに願望が達成した喜びを先取りし、お月様にそのことを感謝するように祈るのがコツ。

 澄み渡った秋空は、宇宙への願望投影がしやすいときです。そうしたベストな時期を狙って、古代の人は、十三夜の月に、願望実現を投影していたのでした。

 みなさんも、古代人にならって、自分の願望を宇宙に高らかと宣言し、その達成の喜びを、いち早く、お月様に伝えてみてはどうでしょう。そうすると、あなたの願いが通りやすくなりますよ。

 ちなみに2023年の十五夜は9月29日、十三夜は10月27日です。今年は、十三夜も意識してみることをおすすめいたします。



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