さそり座は1等星のアンタレスを筆頭に、5個の2等星を持った、たいへん明るい星座です。
また、さそり座は、多くの部分が「天の川」の中にあるので、背景もきらびやかで、眺めていても飽きることのない星座。
そのため、たいへん古い時代から、明るく輝く「S」の形の星座に、人々の関心が寄せられてきました。
今回は、そんなさそり座について、いろいろとお教えいたします。
さそり座の探し方
さそり座を見つけるには、まずは、明るく輝く1等星のアンタレスを探しましょう。アンタレスは赤く輝いているので、目に付きやすいですよ。
ちなみに、アンタレスは、太陽の直径の約230倍の巨大な惑星で、550光年ほど離れたところにあります。
アンタレスは表面温度が低く、赤く輝いているので、日本では「赤星」や「酒酔い星」とも呼ばれてきました。
アンタレスが見つかったら、これが、さそりの心臓の部分です。そのようにイメージして、「S」字形に並ぶ星を確認しながら、さそり座の全体像を把握していくとよいでしょう。
さそり座の神話
特徴的なS字型の星の並びは、古くからサソリにイメージされてきました。
紀元前500年頃に作られたといわれている古代メソポタミアの粘土板の文書に、現在のさそり座の原型となるイメージが記されていますよ。
ギリシャ神話には、どうして天空にサソリがいるのか。その謎が記されています。
狩人のオリオンは乱暴者で、「どんな動物でも倒すことができる」と高慢な態度をとっていました。ここに腹を立てたのが女神ガイア。
ガイアは、巨大なサソリを放ち、オリオンを刺し殺させます。このサソリが、さそり座となり、天空にとどまることになったのです。
オリオン座は冬の代表的な星座、一方のさそり座は夏の代表的な星座ですね。さそり座が目につくようになると、オリオン座は姿を消します。
この天空での星座の交代劇が神話のイメージになったようです。
自由にイメージしてみましょう
サソリがいる地域は、S字型の星の並びをサソリにイメージしてきましたが、サソリを見かけないアジアでは、龍のイメージを重ねていました。
また、ニュージーランドに伝わるマオリ神話では、ニュージーランドの北島を釣り上げたときに使った大きな釣り針が、天に引っ掛かったものとイメージされてきました。
赤く輝くアンタレスの隣に、同じ赤色をしている火星が通過することがあり、ふたつの赤い星が並んだ光景は、とても神秘的な印象を与えます。
みなさんも、さそり座を眺めながら、いろいろと想像力を掻き立ててみてはいかがでしょう。
こうして、星空にゆったりと親しんでいると、宇宙からのパワーを自然に吸収することができ、運気アップにもつながりますよ。