花や宝石など、誕生月に関係させたアイテムがいろいろあります。
実は、誕生月に関係する「木」もあるのです。「誕生花」は聞いたことがあるけれど、「誕生木」は初耳という人は多いかもしれませんね。
5月の誕生木は「杉」。
春になると、花粉症の原因として、杉をうとましく思う人も少なくありませんが、なぜ、春の季節の誕生木として杉が選ばれたのでしょう。深い意味がありそうです。
今回は、そんな杉について、スピリチュアルな観点も含め、いろいろとお教えいたします。
なぜ、5月の誕生木に?
「スギ」という名前は、杉が、まっすぐにスクスクと成長する様子からつけられたともいわれています。「すくすく育つ木」の最初と最後をとって「す・ぎ」です。
「杉」の名の由来には諸説ありますが、いずれも、
杉のはやい成長とまっすぐに伸びる様子から名付けられたといわれています。
この杉のイメージが、男の子がスクスク育つことを願う「端午の節句」にピッタリというわけで、「5月の誕生木」として「杉」が選ばれました。
杉は、健やかな成長、立身出世の象徴なのです。
ちなみに、日本で一番高い木は、京都市の峰定寺の御神木の杉で、樹高は、約62メートル、20階建のビルの高さがありますよ。
神域に杉がある理由
神社の境内に樹木が植えられていますが、杉であることが多いですね。
昔の人は、神様が天上界から地上界へ降臨してくると考えていました。その「通路」としてイメージされたのが、天に向かって、まっすぐに高く伸びる杉だったのです。
杉の木を介し、神様が天上界と地上界を行き来する。この考え方により、神域には、空高く、凛とそびえる杉の巨木があるというわけなのです。このような杉に対する神聖なイメージは、日本最古の文献とされる「日本書紀」や「万葉集」に、すでにみられます。
日本人にとって、杉は古くから、神様に付随する神聖な存在だったのです。
杉は縁起物
成長がはやくて、加工がしやすく、狂いが生じにくい杉は格好の建築材料だったので、江戸時代には、杉の植林が積極的に進められました。
江戸時代は、木造家屋が密集していたため、火事になると、たくさんの家屋が一度に焼失してしまいます。しかし、江戸時代の人々は、すぐに家々を再建できました。杉があったからだといわれていますよ。
縄文時代の遺跡からも、大量の杉材が出土しているので、縄文人も、杉の有用性に気づいていたのでしょう。
日本人にとって、杉は、古くから馴染み深い木材であり、かつ、神が宿る神聖な樹木でした。
お酒は、神事に欠かせないものです。酒樽に杉が使われたり、日本酒の酒蔵の軒先に、スギの葉を束ねて丸くした「杉玉」が吊されたりするのは、神様に関係深い杉の縁起を担いでのことですよ。
こうした杉と日本人の古くからの関わりに目を向け、杉を使った工芸品を身近に置いたり、神域にある杉の巨木を愛でてみたりするといいです。
杉を媒介に、あなたにスピリチュアルなパワーが注がれますよ。
以上のことを参考に、5月生まれの人はもとより、他月生まれの人も、5月は杉に親しみ、幸運を引き寄せてみてくださいね。