かに座は、それほど明るい星が集まっているわけではありません。
しかし、かに座の歴史は古く、5000年前のバビロニアの書物にも、カニの姿で登場しています。
人々を魅了する力が、この星座にありそうですね。
今回は、そんな、かに座についてのウンチクを、神話も含め、いろいろお教えいたします。
かに座の見つけ方
かに座を見つける手がかりになるのは、ふたご座としし座です。
まずは、ふたご座の1等星「ポルックス」と、しし座の1等星「レグルス」の2つの星を探しましょう。どちらも明るい星なので、比較的、見つけるのは簡単ですよ。
かに座は、この2つの星のほぼ中間にあります。
ちなみに、かに座の英語名は「Cancer(キャンサー)」で、これは病気の「癌」と同じ名前です。
紀元前の古代ギリシアでは、すでに乳癌の外科的治療がおこなわれていました。
癌の部分を切り取り、それを観察した当時の医師が、癌の部分が「手足を伸ばしたカニのような形をしている」と記したことが語源になっているという説がありますよ。
かに座にまつわる神話
怪力で有名なヘラクレスがいました。その活躍を憎んでいたのが女神ヘーラです。女神に気にいられようとしたのでしょう。
女神の意をくんで、ヘラクレスに戦いを挑んだのが、大蟹のカルキノスです。
でも、戦いの相手が悪かった。無敵のヘラクレスです。あっさりと、カルキノスは踏みつぶされてしまいました。
自分のために、ヘラクレスに無謀ともいえる戦いを挑み、死んでしまったカルキノスを哀れに思った女神は、カルキノスを天に上げ、かに座にしたのでした。
これが、大蟹カルキノスの伝説。勇気はあるが、非力なカルキノスなので、暗い星というわけなのです。
あなたも物語を作ってみましょう
古代の人は、星座にさまざまな物語を組み込み、その物語を思いながら、ゆったりと星空に親しんでいました。
星空をのんびり眺め、宇宙からパワーをいただく目的からです。
みなさんも、かに座から、自由に物語を作ってみてはいかがでしょう。
インスピレーションが湧きそうなのは、かに座の甲羅の中央に位置しているプレセペ星団です。
肉眼でプレセペ星団を見ると、モワッとした雲のように見えることから、昔の人は「宇宙の雲」だと考えていました。
古代中国では、死人から出る光とも考えられていて、ここが霊魂の通り道と信じられていました。
かに座の甲羅部分にある、ぼんやりとした不思議な光芒を眺めていると、時間が経つのを忘れて、引き込まれる何かがありますよ。
暗い星が集まったかに座が、古代から、人々の注意を引いていたというのは、意外と、プレセペ星団の妖しい光芒が影響しているのかもしれませんね。
あなたも、かに座から、さまざまなイマジネーションを広げてみましょう。
こうして、星空にゆったりと親しみ、宇宙のパワーを吸収すると、運気をアップさせられますよ。