「大慌て」や「大混乱」を意味する「パニック」の語源が、やぎ座にあることをご存じですか。
どのような神話から、この言葉が生まれたのでしょう。
今回は、そんな神話を含め、やぎ座について、いろいろとお教えいたします。
やぎ座の探し方
やぎ座は一番明るい星でも3等星。1等星のように強く光る星を持たない星座なので、探すのにはコツがいります。
まずは、「みなみのうお座」の1等星フォーマルハウトを見つけましょう。そこから少し西に目を向けると、「下が尖った三角形(逆三角形)」に並ぶ星が見えます。それが、やぎ座です。
星座図などを参考に、この逆三角形の星の並びから、やぎ座全体をイメージしていきましょう。
やぎ座にまつわる神話
やぎ座の神話の主人公はパンです。パンは牧人と家畜の神様で、上半身は人間、下半身はヤギ、頭にはヤギの角と立派なヒゲをたくわえた姿をしていました。
ある日、川のほとりに、神々が集まってパーティーを開いていました。そのとき、怪物が飛び込んできます。
突然のことに、神様たちは驚き、それぞれ、動物に変身して逃げ出しました。パンはヤギに変身して逃げ出そうとしましたが、目の前は川です。そこで、今度は魚に変身しようとしました。
しかし、気が動転し、うまく魚に変身できず、上半身はヤギ、下半身は魚という姿で川に飛び込んでしまったのです。
そんなパンの様子を見ていた他の神々は、パンの姿があまりに面白かったので星座にして楽しむことにしました。しかし、パンは自分の失敗が恥ずかしいので、人目に触れないように暗く輝いている。これが、やぎ座にまつわる代表的な神話です。
星座の絵を見ると、やぎ座は、上半身がヤギで下半身は魚になっています。それは、この神話が、もとになっているからなのです。
「大慌て」や「大混乱」を意味する「パニック」の語源が、牧神の「パン」にあるというのは、このような神話に由来しています。
楽しい気持ちで眺めてみましょう
やぎ座を作っている逆三角形の星は、にっこりと笑った口のようにも見えます。
その口のように、やぎ座の神話を思い起こし、パンのような慌て者の神様もいるものだなぁと、面白おかしく眺めてみるのも一興です。宇宙を朗らかな、明るい気持ちで眺められますよ。
そんな気持ちになると、宇宙のパワーと繋がりやすくなって、癒しやひらめきなど、宇宙のさまざまな恩恵にあやかることができます。
やぎ座の周辺には、水にまつわる星座が集まっていますよ。
星座を作った人たちは、このあたりを宇宙の「海」と考えていたようです。そんな「宇宙の海」を楽しく、リラックスして味わってみてくださいね。