夏場に「怖い話」は定番ですね。
確かに、怪談話を聞くと、背筋がゾゾゾッとなって、心理的な涼しさを味わえます。
だから、夏に怪談話をするようになったの?
どうも違うようですよ。
西洋では、冬に怖い話をすることが多いからです。
今回は、日本で、夏に怪談話が多い理由について、秋山先生に伺ってみましたよ。
ご紹介いたします。
マイナスイオンの影響
西洋では、冬場にマイナスイオンが多くなります。一方、日本ではマイナスイオンが多くなるのは夏です。
秋山先生によると、お化けのような怪異現象は、ある条件に環境が整うと出やすくなるといいます。
その大きな条件が「マイナスイオン」なのです。
マイナスイオンが多くなる時期に、西洋の人も、日本の人も、不可思議な現象を体験する機会が増えています。
体験した人は、誰かに不思議な出来事を話したくなりますよね。そんなわけで、日本の場合、夏の怪談話が定番になったと考えられているそうですよ。
ちなみに、マイナスイオン。「マイナス」という名前がついているので、「悪いイオン」とイメージされる人がいるかもしれませんね。でも、人体にとっては、新陳代謝を活発にさせたり、生理作用を快調にさせたり、自然治癒力を高めたりと、生命力を強化する作用をもっています。
ふだんは、弱々しいお化けも、そんなマイナスイオンの恩恵にあやかり、力を強めて登場してくるのかもしれませんね。
お化けはどういう出方をする?
秋山先生は、いわゆる「お化け屋敷」の調査を8千件以上おこなった経験があるそうですよ。
その統計をとってみると、「お化けの出方」として一番多いのは、「音で自分の存在を示す」ものだといいます。
壁に自分の顔を投影したり、「助けて」といった文をどこかに書いてみたり……。このような、映画にありがちな登場の仕方は、ほとんどないそうです。
夜に、「サラサラ」「ミシミシ」といった感じで、畳の上を着物を引きずって歩くような音がする……。でも、姿は見えない。
そのように、音で自分をアピールする例がとても多いそうです。
心霊現象に遭遇したら
もし、心霊現象に遭遇してしまったら、どうしたらよいのでしょう。
霊がコチラに登場するのは、理由があります。
一番大きな理由は「わかってほしい」という思いです。
特定の日や時間に心霊現象が起こる場合は、その日時を調べてみましょう。誰かが亡くなった日、あるいは、ちょうど、その人の亡くなった時間であることが多いそうです。
ここに気づいたら、「わかりました。私のことを今も気にかけてくれているのですね。ありがとう」といった感じで、現象を引き起こしている「存在」に思いを向けてあげましょう。
そうすると、ピタリと、心霊現象が止まることが多いそうですよ。
中には、アチラの世界で混乱してしまって、身内でもない人に、存在をアピールしてくる霊もいるそうです。
こんな霊に限って、相手の気持ちを考えず、「わかってくれ0」とガムシャラに自己表現してくるので、怖い出方をしてきます。格好の怪談話のネタになりますが、これを体験した人は、いい迷惑ですよね。
アチラの世界では、「生きている人間をサポートすることで霊格が上がる」という厳格なルールがあるそうです。なので、必要以上に怖い出方をすると、アチラの世界を管理している警察のような存在に、そのような出方をした霊が怒られるそうですよ。
不器用に怖い出方をしてくる霊に対しては、「あなたの存在はわかった。でも、その表現方法は違うでしょう。アチラにいる者の役割は、コチラの世界の人間をサポートすることでしょう」と、秋山先生は、その霊に対し語りかけることもあるとか。
そうすると、その霊はハッと気づくのか、心霊現象はピタリと止むことがあるそうです。そして、その霊は、本来の役割に気づき、諭しを与えてくれた人をサポートする守護霊に変わったりすることも多いとか。
ほとんどの場合、心霊現象を引き起こしている「存在」のことを理解してあげれば、それで不可思議な現象は止むといいます。
なので、もし、心霊現象に遭遇したとしても、それほど怖がる必要はないとのことです。
ほとんどの怪談話は、不器用な出方をしてしまった霊の失敗談。そう思って、聞くと、怪談話は違った楽しみ方ができるかも。