土用の丑の日の定番はウナギです。
なんで、ウナギなの?
「夏バテ防止だからです」と言うのは、間違ってはいませんが、完全な正解ではありませんよ。
土用の丑の日にウナギが重宝されるのは、もっとスピリチュアルな理由があるのです。
今回のコラムでは、この点を掘り下げてみたいと思います。
土用の丑の日とは
「土用の期間」となるのは、立春・立夏・立秋・立冬の「直前の約 18 日間」です。
「丑の日」は、日にちを十二支で数えたときに、丑に該当する日。なので、丑の日は、12日周期で訪れることになります。
「土用」の期間に訪れる「丑の日」が「土用の丑の日」ですよ。
土用の期間が1年に4回あることから、「土用の丑の日」は、2025年だと、1月20日、2月1日、4月26日、7月19日、7月31日、10月23日、11月4日の7回あります。
しかし、一般的に「土用の丑の日」と言ったら、立秋直前の「夏の土用」に訪れる「丑の日」のことを指しています。
2025年は、7月19日と7月31日の2回ありますよ。
どうしてウナギ?
一般的にイメージされる立秋直前の「土用の丑の日」は、暑さが厳しい時期にあたります。
なので、夏バテ予防のためにウナギを食べよう。
確かに、これも理由のひとつです。しかし、ウナギと同等、あるいは、それ以上の効果を持つ「夏バテ予防」の食材はいろいろあります。しかも、ウナギは風味に独特なクセがあり、嫌う人も少なくありません。
なのに、無理してまで、「土用の丑の日」はウナギが定番となっているのは、もっと大きな理由があるからなのです。それは「泥」のパワーの吸収です。
ウナギは泥の中で生活するので、ウナギの体の中には、「泥」の持つスピリチュアルなパワーがたっぷりと詰め込まれています。
暑い時期は、「泥」のパワーが人々に幸運をもたらすのです。
「丑の日」には、「う」のつくものを食べると運気が上がるという言い伝えがあって、古くは、瓜やうどんが食べられていました。でも、いずれも、「泥」のパワーはイマイチ。
「う」がつき、しかも、「泥」のパワーがたっぷりと詰め込まれているものは……。こうして、人々は、「ウナギ」に目をつけることになったのです。
実際食べてみると、夏バテ予防に加えて、「泥」のパワーの恩恵を受けて、夏場の運気アップにも良い。
こうしたわけで、「土用の丑の日はウナギ」が定番となったのです。
大切な「泥」のパワー
お金もさまざまなチャンスも、良き人間関係があってこそ、安定的に運ばれてきます。
しかし、この大切な人間関係にヒビが入りやすいのが夏の土用の時期です。
暑くなると、イライラが高まりやすくなり、ちょっとしたことで人間関係のトラブルが発生します。そのことで運気を落としやすいのが、夏の土用の時期の特徴なのです。
「泥」の持つスピリチュアルなパワーを吸収すると、優しさがアップし、人間関係が円滑になることが知られています。つまり、暑い時期に運気を落とさず、さらに運気を飛躍させるカギが「泥」のパワーにあるというわけなのです。
そこで、「土用の丑の日」になると、ウナギを食べ、暑い夏を乗り切る体力と同時に、人間関係にヒビを入れないスピリチュアルなパワーをたっぷりといただいてきました。この古人の知恵は、私たちも享受した方がいいかもしれませんね。
イライラが高まりやすい夏場はもとより、人を責めたい気持ちが燃え上がる時、あるいは、みんながトゲトゲしくなって調和が取れない場面などを穏やかにする作用をウナギが持っています。みんなでウナギを食べると、みんなが穏やかさと優しさを取り戻し、場が和むかもしれませんよ。
「土用の丑の日」に限らず、優しさが必要なときは、ウナギを通して、「泥」のスピリチュアルなパワーをたっぷりと吸収してみてくださいね。