誕生石や誕生色のように、特定の月に親しむと、運気に弾みがつく木が「誕生木」です。12月の誕生木になっているのは「モミ(樅)」。
でも、なぜ、12月はモミなのでしょう。
モミの木は、クリスマスツリーに選ばれていますね。いろいろな木の中から、クリスマスを「象徴する木(シンボルツリー)」に選ばれているということは、きっと何か重要な意味があるからなのでしょう。
今回は、スピリチュアルな観点も含め、モミについて、いろいろとお教えいたします。
スピリチュアルな伝承
ヨーロッパを中心に、「モミは、死を退散させ、命を輝かせるスピリチュアルなパワーを与える木」と伝承されてきました。
たとえば、墓所に行ったとき、死霊に取り憑かれないようにモミの枝で体を叩いたり、死者を送るときは、しかるべき時に命を取り戻して復活できるようにと、死者の口の中にモミの種を入れたりしていたそうですよ。
さらに、子供が生まれたときは、命を輝かせ、スクスクと成長することを願って、モミの木を植える習慣もあったそうです。
イエス・キリストの誕生を記念したクリスマスのシンボルツリーとしてモミの木が選ばれたのは、このような伝承・風習が影響しています。
寒い冬ほど、命を輝かせて、死を遠ざけなければなりませんね。モミの木のパワーにあやかって、かつてのヨーロッパの人たちは、死霊を遠ざけようとしていた。そんな思いも、モミの木のクリスマスツリーには重ねられていますよ。
12月を代表する行事がクリスマスです。たくさんの人々の思いが込められ、クリスマスツリーに使われるようになったモミの木は、こうして、12月の誕生木にも選ばれました。
モミのパワー
雑菌は悪霊を引き込む「通路」といわれることもあります。悪霊を退散させたいとき、除菌剤をシュッシュッとスプレーすると、簡易的な除霊ができたりするそうですよ。
実は、モミの木は、そんなパワーを持っているのです。
モミは樹脂自体に殺菌力があり、さらに、「フィトンチッド」と呼ばれる抗菌作用を持つ揮発性の物質をまわりに放出しています。また、ホルムアルデヒドなどの化学物質を分解する効果もあるといわれていますよ。
つまり、モミの木は、除菌・防カビ・消臭などの効果を持つ「天然の除菌剤」なのです。モミの木のパワーで雑菌が退散すると、悪霊も寄りつきません。昔の人は、このことに気づき、モミの木を「聖なる木」としてきたのでしょう。
日本でも、モミを御神木としています。たとえば、長野県の諏訪大社は、巨大な柱を神域に立てる「御柱祭り」で有名ですが、この柱にはモミの木が選ばれているそうですよ。
神域に悪霊が入り込まないように、モミの木を注意深く選んでいるのでしょう。また、東京都渋谷区にある地名「代々木」は、明治神宮に「代々生えていたモミの巨木」に由来するともいわれています。
モミの木に親しみましょう
12月は寒さが厳しさを増す季節ですが、寒さに負けず、元気に過ごしたいものです。こんな時期こそ、モミの木に親しむといいですよ。
クリスマスツリー用のモミの木が出回る時期ですので、モミの木は入手しやすくなっています。
魔除け用に、お部屋にモミの枝を置いておくのもよいかもしれません。もちろん、ゴージャスな飾りをつけたクリスマスツリーとして、お部屋を賑やかにするのもいいですよ。
モミの木のパワーは、製材された木材からも放出が続いているので、モミの木で作られた木製品を身近に置いておくのも効果的です。乾燥に人工的な手が加わったりすると、モミのパワーの拡散が弱まるそうなので、
素地のまま(無塗装)の木材から作られたものを選ぶとよいでしょう。
あと、モミの木のパワーを取り入れるための裏技もご紹介しておきましょう。キノコの活用です。
モミの木の根と共生する食用キノコがあります。アカモミタケ、モミタケ、ヤマドリタケなどです。
これらを食べると、モミの木のスピリチュアルパワーを食べているのと同じ作用をもたらすといわれています。なので、お料理にモミの木由来のキノコを加えてみるのもおすすめです。
以上のことを参考に、12月生まれの人はもとより、他月生まれの人も、12月は、モミのパワーにあやかってみてくださいね。